書籍紹介「ファクトフルネス」 ~世界はよりよくなっている~

教養

こんにちは。x_hackerです。

今日ご紹介するのは「ファクトフルネス 10の思い込みを乗り越えた、データを基に世界を正しく見る習慣」

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

スウェーデン出身の医師であるハンス・ロスリングさんが亡くなる直前まで取り組んだ、彼のライフワークの集大成とも言える作品です。

超まとめ

世界の貧困は改善され寿命は延びているし、人口は増え続けるわけではない。ドラマチックに演出される情報に惑わされず、事実をもとに正しく判断できるようになろう。

勘違いされやすい世界のファクト(事実)

この本の冒頭で、クイズ形式で13の3択問題が載っています。うち12問は、何も考えずに選んだ場合の33%よりも正答率が低かったそうです(2017年14か国の12,000人のオンライン調査)。
この本で言うと、チンパンジーよりも正しく答えられない問題、ということになります。

どのような事実について誤認しているか、事実を簡単にまとめてみます。

  • 世界で極度の貧困にある人の割合は過去20年間で約半分になり、平均寿命はおよそ70歳になった
  • 自然災害で亡くなる人の数は、過去100年で約半分になった
  • 世界で最も多くの人が済んでいるのは中所得国で、世界中の1歳児のうち約80%はなんらかの病気の予防接種を受け、80%の人は電気を使うことができる
  • 平均10年の学校教育を受けた世界の30歳男性に対し、女性は9年間の学校教育を受けた

すごく簡単にまとめてしまうと、世界はよりよくなっている、ということに関する内容です。

これらの事実について、回答を誤る人が多かった(正答率は約17%)ということは、ほとんどの人は世界は実際よりも怖く、暴力的で、残酷だと考えていたことになります。

なぜ誤認してしまうのか ~認識をゆがめる「本能」~

「ファクトフルネス」では、世の中を正しくとらえられない原因として、10の「本能」が紹介されています。
ここでは、その中からいくつかピックアップしてお伝えします。

分断本能、ネガティブ本能、恐怖本能、パターン化本能

今までにご紹介した「自分を変える教室」でもあったように、かつて役に立っていた本能でも今の時代にそぐわないものがあります。

例えば、目の前に飢えたライオンが現れた場合、余計なことは一切考えずにとにかく逃げることが生き延びるために一番重要なことです。恐怖に対して、過剰なほどの反応が必要とされていたわけです。
しかし、現代ではそのようなことはほとんどなくなり、冷静に判断をしても間に合うケースが多くなっています。
また、かつては生き延びるためにネガティブに考えることも重要でした。

そこに、ものごとをシンプルに考えるための分断本能やパターン化本能が加わると、例えば下記のようになってしまいます。

発展途上国で飢えに苦しんでいる子どものニュースを見た。きっと世界にはこのような状況がたくさんあって、今までより先進国と途上国との格差は広がっているんだ。

冒頭でもお伝えしたように、極度の貧困は緩和されていて、低所得者ではなく中所得者が世界人口のボリュームゾーンになっています。
そのため、上記の判断は正しくない判断をしていることになります。

「飢えた子どもがいる」というのは紛れもない事実で、そこに対処すべきなのは間違いないのですが、そのことにより世界の事実を誤認しないようにしたいですね。

ここで覚えておきたいのは、人はドラマチックな演出を好むということ。
テレビでもネットでも、映画でも、それがたとえニュース番組などであったとしても、視聴者を集めるためにドラマチックな情報を選んで扱っていることを頭の片隅においておきましょう。
(そして、ドラマチックで恐ろしい演出を目にすると人は誘惑に負けやすくなる点も要注意ですね!参考:「自分を変える教室」

過大視本能

非常に大きな数字、非常に小さな数字を見たとき、過剰に感情的に反応してしまうというもの。

2016年、世界では420万人のあかちゃん(0歳児)が亡くなりました。

この情報だけを聞くと、「なんてことだ。そんなにもたくさんのあかちゃんが。。。」とどうしても感情的になってしまうと思います。私も少しなりました。

しかし、この数字、1950年は1,440万人だったというのです。今までより1,000万人も多くのあかちゃんが亡くなっていたのです。
そう考えると、ここ数十年の進歩に希望が見え、もっとよくなっていくかもしれない、と思うことができますよね。

しかも、1950年は出生数9,700万人に対して1,440万人が死亡。死亡率は15%なのに対して、2016年は出生数1億4,100万人に対して420万人。死亡率はたったの3%まで改善しているのです。

大きい数字、小さい数字に惑わされないためには、比較する数字を用意すること、割合で考えることを忘れないようにしましょう。

まとめ

本能的、衝動的に行動をするための機能は生物としてのヒトに備わっている機能です。
しかし、長い年月を経て、今はその本能を必要とする場面が減り、本能よりも情報を基に正しく判断することがよりよい結果に結びつくことも多くなっています。

人生を変える考え方食事のコントロールの一助として、このブログでは過去にも本能について触れてきましたが、ヒトとしての本能を理解し、その対処法を見つけておくことがよりよい人生にする力になると思います。

「ファクトフルネス」は、筆者の体験談もふんだんにあり、非常に読みやすく面白い本でもあるので、是非一度読んでみてください。

コメント

  1. […] このブログでも過去に触れてきた「FACTFULNESS」や「Think clearly」でも触れられていましたが、世界は複雑にできています。 とても世界の全てを理解することはできません。 […]

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