要点解説『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』

教養

こんにちは!えっくすはっかーです。
今、絶賛「脳と勉強」について、書籍で学習中なのですが、今そのなかでも外せないのがこの本!

『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』(著者:読書猿)

東大生協で一番売れた本(期間はわかりませんが。。。)としても有名なこの本を避けて通ることはできませんね!

しかしこの本、約750ページもあります。。。。
読書に慣れている人でも読み切るのはなかなか大変。

そこで、今回はこの本を読み切った私が、ザクっと解説します!
ただし、今回書くのは独学の中でも浅めの部分にフォーカスしようと思います。

それでは、早速始めていきましょう!

学ぶということ

『学ぶことで人は変わる。変わるためにこそ人は学ぶ。』

これは、独学大全の序盤にある文章です。

特に、学校などの教育を離れ、自ら学ぶ独学者となったとき、このことはより重要になってくると思います。
別に学ばなくてもいいけれども、自ら進んで学ぶ。続けてもいいし、やめてもいい。内容も自由に選んでいい。
そのような中で学ぶことは、それが意図的であるかを問わず、自分自身が変わることに繋がります。

『「どのように学ぶか」よりも「何を学ぶか」が大事だし、「何を学ぶか」よりも「学び続けるか否か」の方が重大だ』

勉強方法について書かれたハウツー本は本屋に行けばたくさんあります。
でも、「何を学ぶか」について書かれた本や、「学び続けることの意義」や「学び続ける方法」について書かれた本はほとんど見たことがありません。

そのためあまり意識したことはありませんでしたが、言われてみれば確かになるほど、「何を学ぶか」ということは当然大事だし、どんなに適切な内容を選んだとしても、続けなければほとんど意味はありません。

次の言葉も心に刻んでおきたいと思います。

『「今日ぐらいいいよね」とサボった人間は、明日も同じように言い訳をこさえてサボる。今日学べば、明日もその次も学ぶ。我々の一日はこうして未来へ繋がっている。』

「独学」の深淵を覗く

さて、ここで少し本の内容を離れて、「独学」というものについて整理してみます。

何を隠そう、私自身、この独学大全を手に取ったとき、能天気に
「独学(自学自習)のときに役立ついろんなスキルが書いてあるんだろうな。これから勉強するときの効率化に役立つものがあるといいな」
くらいに考えていました。

ところがどっこい。
この本で扱う「独学」の深さたるや。

そんなスキルなんか前提知識のようにサラッと進み、「論文の集め方、論文の読み方」から、果ては「論文にもないような最先端(言い換えると研究の一番深い領域)」に取り組む独学までを取り扱っています。

あぁ驚いた。
独学、なめてました。

一般人である私には、その領域は(少なくとも今のところ)あまり関係ないので、このブログでは「一般人にも役立ちそうな比較的浅いところ」について書いていきます。

あ、でも、ごっつい本ですが、対談形式の部分もあり、読みやすくなるような工夫はされていますので、独学の深い部分を知りたい方は是非、本で読んでみてください。

理解と記憶

具体的な知識やテクニックの前に、「理解と記憶」という少し抽象的な部分を整理しておきましょう。

勉強って、理解すること?覚えること?
というようなありがちな疑問・思考に対する答えにもなるかもしれません。

「理解することが大事」ということに異論がある人は少ないと思いますが、そこに記憶はどのようにかかわってくるでしょうか。

独学大全の中には、
記憶は理解の代わりにならないが、うまく使えば理解を助ける。しっかり記憶して、思い出すことに注意という貴重な認知資源を割かずに済むレベルに至っていれば、その分を理解することに回せるからだ。
という内容があります。

少し難しいので、かみ砕いていきます。

例えば、学びたい内容について、日本語では文献がなく英語の文献を読むしかない、という状況があったとしましょう。
そのとき、もし「アルファベット」という知識がなければ、英文を読むこともできません。
アルファベットは知っていたとしても、単語をあまり知らなければ、辞書を引きながら読まなければいけないでしょう。
そうすると、読みたい文章と辞書とを行ったり来たりして、「この文章では辞書のこの1番の意味でいいのかな?」なんていう余計なことを考えながら読むはめになります。

アルファベットや英単語、英語の文章についての知識がないと、文章を理解するために振り分けるべき認知資源(脳の回転のようなイメージでしょうか)を、余計なところに使わなければならなくなり、理解力が落ちる、ということです。

理解と記憶との関係を逆からもとらえてみましょう。

理解は最高の記憶法である。理解するという覚え方は忘れにくく、記憶した事項を再生しやすく、また応用しやすい。

バチっと理解できたことは記憶に残っている、という経験は誰しもありますよね。
どうやら理解と記憶とは相互に依存して、高めあっているようなイメージのようです。

新しい情報を既存の認知構造に組み込み関連づけることは、「新たな知識の構造化」と呼ばれ、学習プロセスの中核にある

独学がはかどる!知識とテクニック

最後に、具体的に役立ちそうな知識、テクニックについていくつか抜粋して簡単にまとめておきます。

知識

繰り返し(インターバル学習法や復習の重要性)
『写真や録音などの複製技術がない旧石器時代の世界では、繰り返し出会うことは実際に頻繁な接触があったことを意味し、次に出会う可能性が高く記憶する価値があるものだった。これが〈繰り返し〉が学習に効果的な理由である』

モチベーションについて(いわゆる作業興奮)
『やる気から行動が生まれるんじゃなく、行動からやる気が生まれる。行動がうまくいって、いい結果が出た時、やる気が生まれる。』

社会脳仮説
『ヒトは自分の考えを声に出す時の方が、声に出さず静かに学んでいる時よりも素早く、そして深く学ぶ
『話し相手になってくれる人がいない場合でも、声を出して学習することは効果がある

読書について
『黙読に慣れた大人の場合は、音読よりも黙読の方が、読書速度だけでなく理解度・記憶成績に優れている

スキル

2ミニッツ・スターター
タイマーを2分にセット。スタートさせ、すかさず作業を開始する。タイマーがなったと同時に作業をストップする。次の2秒で、そのまま制限なしで同じ作業を続けるか、また2分間で違う作業にとりかかるか、それとも作業をやめて休憩に入るか決める』

ポモドーロ・テクニック
25分の作業、5分の休憩を4買い繰り返したら、30分間休憩する』

セルフモニタリング
やったことを、ただ淡々と記録するだけで、行動が促進される。ごく簡単なことからでも、間接的なことからでも記録する』

パブリック・ポスティング
『現状をグラフ化したものや目標などを壁のようなところに貼っておく。
誰かの目に触れるかもしれないという可能性だけで、ノートに綴じ込んでいる場合などより効果がある』

35ミニッツ・モジュール
『35分間という時間設定は、多くの人が集中力を維持できる20分間という時間を新規項目の学習にあてることと、全学習時間の40%を復習に、60%を新規項目の学習にあてる、という条件から算出されたもの』

それぞれ、詳しく知りたい方は是非、トータル約750ページの鈍器のような「独学大全」に、是非向き合ってみてください!

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