こんにちは!えっくすはっかーです。
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の著作「ホモ・デウス」のご紹介です。
以前ご紹介したハラリ氏の著作「サピエンス全史」と併せて、現代の教養本の1冊だと思います。
でもちょっと分量が多くて読むのは大変。。。という方のために、超ざっくりご紹介します。
- 超簡単まとめ
- 次の人類進化の鍵となるのはAIとバイオテクノロジー
- 自分自身よりも自分のことを理解するアルゴリズムが生み出されるだろう
- バイオテクノロジーによってスペックの高い人類「ホモ・デウス」が当たり前になるかもしれない
- ・番外編:最高(最悪)と最後の印象の平均が記憶を決める、ピークエンドの法則を理解しておこう
- まとめ
超簡単まとめ
・次の人類進化の鍵となるのはAIとバイオテクノロジー
・自分自身よりも自分のことを理解するアルゴリズムが生み出されるだろう
・バイオテクノロジーによってスペックの高い人類「ホモ・デウス」が当たり前になるかもしれない
・番外編:最高(最悪)と最後の印象の平均が記憶を決める、ピークエンドの法則を理解しておこう
次の人類進化の鍵となるのはAIとバイオテクノロジー
サピエンスは、前作のサピエンス全史にあるように、狩猟採集を中心とした生活から、農業革命、産業革命を経て現在の生活スタイルを築き上げました。
そこから更に1段階変化が起ころうとしています。
そのカギとなるのはAIとバイオテクノロジー。
今後、人の能力を超えるAIがどんどん生まれ、人にしかできないことがどんどん減っていくでしょう。
また、バイオテクノロジーの発達により、病気やケガの克服だけでなく、不老不死に近い寿命の延長や、身体能力の向上が図られるようになるとこの本では言います。
その2つの技術によって何が起こるか。それは、自然のままで生まれてくるよりも能力の高いヒト、ホモ・デウスの誕生につながります(デウスとは神のこと)。
自分自身よりも自分のことを理解するアルゴリズムが生み出されるだろう
ヒトは様々なことを経験し、考え、感じます。感動をしたり、恋をしたり、このような感情の動きは自分自身にしか感じられず、ヒトにしか理解できないものと考えられてきました。
しかし、生物学的研究の発達により、ヒトが感じていることは単なる化学物質の分泌によるもので、身体的な反応や体内の化学物質の濃度をモニタリングすれば、何に対してどのように感じるかをAIが判定できるのではないか、ということが明らかになってきました。
デバイスが発達してきたら、今までに何を見て、何を感じ、何を求めているか等、自分が感じる以上に明確にシステムが判定できるようになります。
更に当たり前のことですが、ヒトと違って機械的な記録は「忘れる」ということがないため、過去の膨大なデータからより適切な判断をできるようになります。
将来的には、結婚相手でさえ自分で考え、感じて決めるよりも、アルゴリズムに従った方がより相性の良い相手と巡り合えるようになるでしょう。
バイオテクノロジーによってスペックの高い人類「ホモ・デウス」が当たり前になるかもしれない
医療の分野では、「より長く、より健康に」ということをずっと追及してきました。それがバイオテクノロジーにより、半ば永久に生きられる状態が実現するかもしれません。
また、遺伝子の研究により、今は生まれる前に障がいを予知して出産するか否かの選択を与えたり、遺伝子を操作してその障がいを取り除いたりということも技術的にはできるようになっています。
ただ、マイナス面をなくす、というだけに終始するでしょうか。
そんなところでブレーキはかけられない、と著者は言います。
少し遺伝子を操作すればより肉体の強い体や病気になりにくい身体、頭の回転の速い身体になるとわかったらどうでしょう。
もちろん倫理的な問題はありますが、障がいを取り除くための操作だけで我慢できるでしょうか。
サイエンスは止まることができず、新人類ともいえるヒトが誕生すると考えられます。
遺伝子操作でハイスペックな新人類になれるなら、現人類にとってかわるかもしれません。
そしてそこへの移行期には格差が非常に大きくなるタイミングが存在します。
なぜなら、ハイスペック人類を生み出すための遺伝子操作等は非常に高額になる可能性が高いからです。
富裕層身体操作にお金をつぎ込むことができるためどんどん能力が高くなり、貧困層はそのような操作ができず能力の高くない状態で生まれてくるようになります。
つまり、このように遺伝子による身体能力の操作が当たり前になれば、格差は更に大きくなってしまいます。
・番外編:最高(最悪)と最後の印象の平均が記憶を決める、ピークエンドの法則を理解しておこう
個人的に、この本で初めて知った知識で、かつすぐに役に立つ可能性がありそう、と思ったのが「ピークエンドの法則」というもの。
本で紹介されている実験は、不快で痛みを感じるか感じないかの温度である14度の水に手をつける実験。
「短い」実験群では1分間、14度の水に手をつけてから出した。
「長い」実験群では14度の水に1分間つけたあと、少し温かい水が追加されて15度になった水に更に30秒つけてから出した。
冷静に考えると、どうかんがえても「短い」実験群の方が苦痛は少ないはず。
だが、どちらも経験した後、「もう一度やるならどちらがいいか」という問いに対して8割の人が「長い方がいい」と答えたとのこと。
これは、記憶しているのはものごとのピークと最後で、良し悪しの判断はその平均を取る、というピーク・エンドの法則です。
ピークはなかなかコントロールできないと思うので、良いことにしろ悪いことにしろ、最後にどのような経験をするかが非常に重要と言うことがわかります。
例えば旅行に行ったとして旅先では最高の経験ができたとしても最後に喧嘩をしてしまったら、旅行自体の印象がかなり悪くなってしまうのです。
「終わりよければ全てよし」という言葉がありますが、こういったところからあるのかもしれませんね。
まとめ
この本では結論めいたことは書いてありませんが、自分で判断するよりデータとアルゴリズムに判断をゆだねるようになることも、バイオテクノロジーによりスペックの高い人類が生まれることも、確かにやってくる未来のように思われます。
そのとき、人類はどうなるのか、政治は、社会は、そして自分自身はどうすべきなのか。
考えてみておいてもよいかもしれません。
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